目次
- 1.第7章 「認知症を調べる、治す」について
- 2.第7章 「認知症を調べる、治す」備忘録
- 45歳以上の全員がコグノスコピー(認知機能検査)を受けるべき
- 回復チャンス期間は長く、早ければより完璧な回復が期待できる
- ホモシステイン値が上昇すると血管と脳にダメージ P182
- 脳必須栄養が欠乏するとホモシステイン値上昇 P182
- ホモシステイン値6以上で海馬萎縮スピードアップ P181
- ホモシステイン値を低く保つにはP182
- 糖は依存性の毒 P184
- インスリン抵抗性はアルツハイマー病の一因 P185
- 高血糖はAGEを産生する P185-P186
- AGEは体に様々なダメージを与える P185-P186
- 空腹時インスリン値は4.5以下 P186
- 炎症はアルツハイマー病の一因 P188
- 炎症に極めて重要な測定項目 P188-P189
- ビタミンD3は脳のシナプス生成と維持に不可欠 P190-P191
- ホルモンは認知機能の最適化に重要な役割 P191
- 甲状腺機能の最適化は認知力の最適化に必須 P191-P192
- 自分で甲状腺機能低下の可能性を調べる超簡単な方法 P192
- 甲状腺ホルモン検査値について P192-P193
- エストロゲンは認知症の予防に重要な役割 P194-P196
- テストステロンはニューロンの生存に寄与
- 慢性ストレスは認知機能を低下させる大きな要因 P197
- プレグネノロン不足は認知機能低下の危険因子 P198
- DHEAはストレス反応をサポート
- 3型(毒物性)アルツハイマー病患者は亜鉛値が低い P199
- 過剰な銅、過少な亜鉛(銅>亜鉛)は認知機能に悪影響 P199
- マグネシウムは脳機能にとって極めて重要 P202
- グルタチオン低値はアルツハイマー病の一因の可能性 P203
- セレンはグルタチオンの再生に寄与
- グルタチオンはマイコトキシンに効果有 P204
- 水銀はアミロイドβ斑を誘発する P205-P206
- Quicksilver Scientific社のMercury Tri-test P207
- ヒ素は実行機能障害、うつ病等を引き起こす可能性 P206
- 鉛は認知機能と子供のIQを低下させる P206
- カドミウムは脳にアルツハイマー病型の変化を促す P207
- 睡眠時無呼吸症候群は認知機能低下の一因 P208-P211
- 総コレステロール値150未満で脳萎縮の可能性 P211-P212
- ビタミンEは細胞膜の保護に重要 P213
- ビタミンB1(チアミン)は記憶を形成 P214
- リーキーガットは炎症を引き起こす P214-P218
- 梅毒は認知症を引き起こす P219
- 血液脳関門のバリアは壊れる可能性がある P220-P221
- グルテン感受性はリーキーガットの原因 P221-P223
- 自己抗体が脳タンパクを攻撃する P223
- 一部コレステロール低下薬は認知症の原因 P226
- カビは3型(毒物性)アルツハイマー病の原因 P226
- カビ毒が慢性的な炎症を引き起こす P228
- マイコトキシンの存在確認は尿検査 P228
- ミトコンドリアへの悪影響を排除する P230
- デブ&メタボは認知機能低下のリスクを上昇 P230-P232
- ApoE4の遺伝子検査は必要 P232
- 神経心理検査で現在の状態を数字で正確に把握 P234
- PETスキャンもアルツハイマー病の診断に役立つ P236
- 認知機能に必須の最新検査について P237-P238
- 過去の出来事や生活習慣をチェックする P243-245
- 45歳以上が行うべき認知機能検査 P247-P251
1.第7章 「認知症を調べる、治す」について
第7章「認知症を調べる、治す」は「P174-P251」の「全78ページ」で構成されている。
この章ではリコード法でアルツハイマー病を治療する為に必要な検査結果を得る為のコスノスコピー(認知機能検査)に関する事をベースとして、治療を進める際の目標値等も具体的且つ詳細に説明している。
どのような検査結果を集めれば良いのかはP248-251に記載されている「リコード法プロトコルの主要検査とオプション検査のまとめ」に一覧で掲載されている。
この章(第7章)と第8章にリコード法を実施する為の具体的な方法の大部分が掲載されているので非常に重要な章である。
(なお、自分が参考になったと思える部分は備忘録に記載)
アルツハイマー病 真実と終焉 ”認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム
デール・ブレデセン (著), 白澤 卓二 (監修), 山口 茜 (翻訳),出版社:ソシム
2.第7章 「認知症を調べる、治す」備忘録
45歳以上の全員がコグノスコピー(認知機能検査)を受けるべき
45歳以上の全員が認知機能の低下を予防するには「コグノスコピー(認知機能検査)」を受けて、潜在要因とリスク要因を把握する事。
検査結果があれば、極めて初期の段階で早期かつ適切に予防措置を講ずる事ができ、自分の脳細胞が殺されてしまのを未然に防げる。
回復チャンス期間は長く、早ければより完璧な回復が期待できる
アルツハイマー病の進行の速さ等は当然人それぞれで大きく異なるが、基本的には以下のような期間でアルツハイマー病が脳を冒していく。
シナプス喪失や認知機能の低下の原因を特定し、是正するのが早いほど、本格的なアルツハイマー病や経度の認知機能障害でも発症を避ける可能性が高くなり、より完璧な改善が期待できる。
・無症状で進行する期間:約10年
・主観的認知機能障害(SCI):約10年(物忘れが増えた等、頭の調子が良くない事を自覚)
・軽度認知機能障害(MCI):数年程度
計:20数年前後。
ホモシステイン値が上昇すると血管と脳にダメージ P182
ホモシステイン値が高い事はアルツハイマー病の重大要因。
シナプス喪失の3つの原因(炎症、シナプス補助栄養因子の喪失、毒素)のうち、ホモシステインは炎症とシナプス栄養補助因子の指標である。
炎症マーカーでもあるが、栄養の供給が不足しても値が上昇する。
脳必須栄養が欠乏するとホモシステイン値上昇 P182
ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸、アミノ酸ベタインが欠乏すると、ホモシステイイン値が上昇し、脳と血管にダメージを与える。
ホモシステイン値6以上で海馬萎縮スピードアップ P181
ホモシステイン値が6より上昇するほど、海馬の委縮が速くなる。
ホモシステイン値を低く保つにはP182
ホモシステイン値を低く最適に保つには、ビタミンB6、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12が活性型で十分な水準にある必要がある。
なお、活性型ビタミンB6はP5P(ピリドキサール5リン酸)の事、活性型葉酸はメチル葉酸の事、活性型ビタミンB12はメチルコバラミンの事である。
具体的には検査値が以下の水準にある事を目標とする。
・(活性型)ビタミンB6:30~60マイクログラム/L(mcg/L)
・(活性型)葉酸:10~25ng/mL
・(活性型)ビタミンB12:500-1000pg/ml
糖は依存性の毒 P184
人間の体は1日に約15グラムを超える砂糖を処理するようには作られていない。
これはソフトドリンク1杯よりずっと少ない量。
グルコース(ブドウ糖)は血中濃度が一定値を超えると体に毒となる為、体から大量のインスリンがグルコース(ブドウ糖)を抑制しようと分泌されるが、グリセミック・インデックス(GI値)の高い食品を取ると、血中のブドウ糖が急上昇する為、ブドウ糖の血中濃度を急いで下げようと、膵臓から大量のインスリンが分泌される。
そして、細胞は絶え間なく流れるインスリンに対しては反応しなくなる。これがインスリン抵抗性と呼ばれるものである。
インスリン抵抗性はアルツハイマー病の一因 P185
慢性的なインスリン高値はインスリン抵抗性をもたらし、インスリン抵抗性はアルツハイマー病の一因となる。
理由は2つある。
(1)インスリン抵抗性は2型糖尿病や脂肪肝、メタボリックシンドロームだけでなく、アルツハイマー病の一因にもなる。
その理由は、インスリンのシグナル伝達はニューロンの生き残りを助ける最も重要なシグナルのひとつだから。
インスリンはインスリン受容体に結合し、ニューロンの生き残りを助けるシグナル伝達を引き起こす。このサバイバル・シグナルは、慢性的にインスリン値が高いと鈍化する。
(2)血糖値を下げる役目を終えたインスリンを分解する酵素をIDE(インスリン分解酵素)というが、このIDE(インスリン分解酵素)は、脳の中でアミロイドβの分解も担当している。
そして、IDE(インスリン分解酵素)はアミロイドβの分解とインスリンの分解の両方を同時に実行できない。
インスリン抵抗性がつくと、IDE(インスリン分解酵素)はより通常より多く分泌されるインスリンの分解で手が回らなくなり、アルツハイマー病の原因となる過剰なアミロイドβの分解ができなくなる。その結果、アミロイドβ値は上昇し、アルツハイマー病の原因となる。
高血糖はAGEを産生する P185-P186
高血糖は多数の異なるタンパク質に接着し、タンパク質の機能を妨げる。
グルコース(ブドウ糖)分子は、生化学的反応を起こし、AGE(終末糖化産物:毒性の高い老化タンパク質の1つ)を産生する。
AGEは体に様々なダメージを与える P185-P186
AGE(終末糖化産物:毒性の高い老化タンパク質の1つ)は体に様々なダメージを与える。
(1)AGEは炎症の引き金となる。
(2)AGEはDNAや細胞膜にダメージを与える。
(3)AGEは血管を傷つけ、脳への栄養供給を減らし(2型アルツハイマー病の原因)、血液と脳の間のバリアにある漏れの原因となる。(1型アルツハイマー病の原因)
(4)動脈硬化や骨粗しょう症、白内障などにも関連。
空腹時インスリン値は4.5以下 P186
インスリン抵抗性や高血糖を改善する為、以下の目標を達成できる対策を講じる事。
・空腹時インスリン値:4.5μIU/ml以下
・空腹時血糖値:90mg/dl以下
・ヘモグロビンA1c(エイワンシー):5.6%未満
炎症はアルツハイマー病の一因 P188
慢性的に活性化された免疫システムは、自分の体の細胞を攻撃することがある。
炎症に極めて重要な測定項目 P188-P189
(1)C反応性タンパク質(CRP)
あらゆるタイプの炎症に反応して肝臓で産生。リコード法においては高感度CRP(hs-CRP)は0.9mg/dl未満であるべきとされている。この値が高い場合、糖分・単純炭水化物・トランス脂肪酸等の取りすぎ、リーキーガット、グルテン感受性、口腔内の不衛生、特定毒物等が炎症の発生源として疑われる
(2)血中アルブミン対グロブリン比
炎症の補完的指標。1.8あればベスト。
(3)赤血球中オメガ6脂肪酸対オメガ3脂肪酸比
オメガ6は炎症性、オメガ3は抗炎症性。
リコード法の目標値:オメガ6/オメガ3比:0.5以上3未満
(4)インターロイキン6(IL-6)と腫瘍壊死因子α(TNFα)
炎症性(1型)アルツハイマー病において増加する可能性のある多くのサイトカインの仲間。
リコード法の目標値:IL-6:3pg/mL未満、TNFα:6.0pg/mL未満
ビタミンD3は脳のシナプス生成と維持に不可欠 P190-P191
ビタミンD3は900以上の遺伝子を活性化するが、その遺伝子にはリコード法にとても重要な「脳のシナプス生成と維持」に不可欠なものもある。
その為、これらの遺伝子と、その遺伝子を活性化するビタミンD3は、脳シナプスの生成と維持に必要不可欠、ビタミンD3が足りないと、適切な遺伝子が正しく活性化されない。
(ビタミンDの目標値)
血清25ヒドロキシコレカルシフェノール(不活型ビタミンD3)値:50~80ng/ml
ホルモンは認知機能の最適化に重要な役割 P191
多くのホルモンは特にシナプスの形成と維持をサポートすることにより、認知機能の最適化に重要な役割を果たす。
ホルモンレベルが低下し、バランスがシナプスを破壊する側がになると認知力は低下する。
甲状腺機能の最適化は認知力の最適化に必須 P191-P192
甲状腺の最適化は認知機能の最適化に必須。
アルツハイマー病(認知症、軽度認知機能障害、主観的認知機能障害)では一般的に甲状腺機能が低下している。
甲状腺機能は代謝速度にも影響し、心拍数や頭の冴えにも影響する。
なので甲状腺ホルモンの状態を知る事は必須。
甲状腺ホルモンの状態は「遊離T3」「遊離T4」「リバースT3」「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」 のレベルを測定する事で評価できる。
自分で甲状腺機能低下の可能性を調べる超簡単な方法 P192
方法は簡単で自分の代謝スピードは「基礎体温」を測れば簡単に測定できる。
(方法)
(1)夜寝る前に体温計をベットの隣に置いておき、起床後直ぐに測れる状態にしておく。
(2)朝起床後直ぐ(ベットから出る前)に体温計で体温を測る。
(3)体温が36.6~36.8度の間にあれば問題ないが、体温が低い時は甲状腺機能の低下の可能性がある。
甲状腺ホルモン検査値について P192-P193
遊離T3(活性型で寿命約1日の甲状腺ホルモン):最適レベルは3.2~4.2pg/ml
遊離T4(寿命約1週間の貯蔵型ホルモン):最適レベルは1.3~1.8ng/ml
リバースT3(甲状腺の活性化を阻害):最適レべルは20ng/dl未満
TSH(甲状腺刺激ホルモン):最適レベルは2.0μIU/mL未満
多くの医師がチェックするのは「TSHのみ」。TSHだけでは甲状腺機能が低下した患者を多数見逃す。
TSH高値は甲状腺機能の低下を示す可能性があり、一般的な正常値は0.4-4.5μIU/Lであるとされているが、2.0を超えていれば、全て検討する必要がある。
しかし実際にはTSHが正常値でも甲状腺機能が低下している可能性がある為、追加の甲状腺ホルモン検査を行う必要がある。
エストロゲンは認知症の予防に重要な役割 P194-P196
エストロゲンは認知症の予防において決定的な役割を果たしている。
エストロゲンとプロゲステロン、エストラジオールとプロゲステロンの比率も重要。
この比率が高いと「物忘れ」と「記憶力の悪さ」に関連する。
(目標値)
エストラジオール:50~250pg/mL
プロゲステロン:1~20ng/mL
エストラジオール/プロゲステロン比:1/10(症状により最適化する)
テストステロンはニューロンの生存に寄与
性ホルモンのテストステロンはニューロンの生存をサポートする。(男性の方がより高濃度)
テストステロン濃度が低い(全体最下位1/5に該当するレベル)男性はアルツハイマー病のリスクが高い。
(目標値)
総テストステロン濃度=500~1000ng/dL
遊離テストステロン=6.5-15ng/dL
慢性ストレスは認知機能を低下させる大きな要因 P197
ストレスは認知機能を低下させる最も重要な要因のひとるである。
ストレスホルモンの1つであるコルチゾール値が高いと、ニューロンに損傷を与え、特に海馬では慢性ストレスが海馬損傷の重要な原因となり、認知機能(特に記憶力)を低下させる。
慢性的なストレスは、HPAアクシスの機能不全につながる可能性がある。
これが起こると、副腎は感染、毒物、睡眠不足などのストレスに対処するホルモンを十分産生できなくなり、ストレス要因に非常に敏感になり、認知機能が悪化する可能性がある。
コルチゾール値の急速な減少は、それ自体が海馬ニューロンの喪失につながる可能性がある。
(目標値)
コルチゾール(朝):10~18mcg/dL
プレグネノロン不足は認知機能低下の危険因子 P198
プレグネノロンはほかの全てのステロイドホルモンの元となるマスターステロイドホルモンであり、エストラジオールやテストステロンなどの性ステロイドと、コルチゾールやDHEAなどのストレスホルモンは、いずれもプレグネノロンに由来する。
プレグネノロンは記憶をサポートし、神経保護作用を有する。
ストレスが高い間は、プレグネノロンはストレスホルモン産生するために使用(プレグネノロンの流用)される為、プレグネノロン値と性ステロイドホルモン値の両方が低下する。
従って、プレグネノロン不足は認知機能低下の原因になりうる。
(目標値)
プレグネノロン=50~100ng/dL
DHEAはストレス反応をサポート
DHEAはプレグネノロン同様に、ストレス反応をサポートする「神経ステロイド」である。
(目標値)
DHEA硫酸塩(女性):350-430mcg/dL
DHEA硫酸塩(男性):400-500mcg/dL
3型(毒物性)アルツハイマー病患者は亜鉛値が低い P199
老化は低亜鉛値と関連するが、アルツハイマー病では亜鉛値がさらに低くなるという。
さらに、3型(毒物性)アルツハイマー病患者は、しばしば非常に亜鉛値が低く、通常は健康な人の半分程度である。
亜鉛値が低いと、水銀とカビ由来のマイコトキシンなどの毒物により敏感になる。
過剰な銅、過少な亜鉛(銅>亜鉛)は認知機能に悪影響 P199
銅が過剰で亜鉛が過小な場合、認知機能に影響を及ぼす。
亜鉛サプリメントは認知力を高める。
体内に銅が過剰にあると、体内の亜鉛は非常に少なくなる。
亜鉛はインスリンの合成、貯蔵、放出に必須である為、亜鉛不足になるとインスリンシグナル伝達の低下が生じる。
亜鉛欠乏症は炎症の発生源である自己抗体値を上昇させる。
自己抗体は酸化ダメージと老化を亢進し、ホルモンと神経伝達物質のシグナル伝達を減少し、毒物に対する感受性を高める。
銅と亜鉛の血中濃度比が1.4以上(銅の方が大きい)の場合は、認知症と関連してくる
(目標値)
銅/亜鉛比=0.8~1.2
亜鉛の血中濃度=90~110mcg/dL(赤血球中亜鉛値=12-14mg/L)
遊離銅=銅マイナス(セルロプラスミン×3)が30以下
マグネシウムは脳機能にとって極めて重要 P202
アルツハイマー病で海馬や隣接する嗅内皮質に真っ先に最悪の打撃を受けた場合には、これらの記憶固定機構(脳の左右の海馬)のマグネシウム値が低い可能性がある。
脳の細胞機能に最適なマグネシウム値に達する為には通常、食事にマグネシウムを加える必要がある。
マグネシウムがアミノ酸トレオニンの誘導体と対になって脳に輸送されるとき、認知力が改善する。
赤血球中のマグネシウム濃度測定は、血清中濃度を測定するよりも正確な値を得る事ができる。
(目標値)
赤血球マグネシウム=5.2~6.5mg/dL
グルタチオン低値はアルツハイマー病の一因の可能性 P203
グルタチオンの低値は、炎症、毒性、シナプスのサポート喪失の一因となる可能性がある。
それ故、アルツハイマー病の3つのサブタイプ(炎症性、萎縮性、毒物性)全ての原因になる可能性がある。
(目標値)
グルタチオン(GSH)=5.0~5.5μmol/L
セレンはグルタチオンの再生に寄与
セレンはグルタチオンがフリーラジカル(不対電子を持つ原子や分子)の除去に使い果たされた際、グルタチオンの再生に重要な役割を担うため、セレンの減少は認知機能低下に関係している。
(目標値)
血清セレン=110~150ng/mL
グルタチオンはマイコトキシンに効果有 P204
グルタチオンはカビ毒であるマイコトキシンに効果アリ。
尿中にマイコトキシンが正常値上限の20倍以上検出されたアルツハイマー病患者にグルタチオンの静脈内投与(IV)を行うと、認知力は毎回、その当日は改善した。(但し、翌朝には逆戻りする)
この患者にグルタチオンの静脈内投与に加えて、標準的なリコード法プロトコルで治療し続けた所、認知力が明らかに継続して改善した。
水銀はアミロイドβ斑を誘発する P205-P206
水銀はアルツハイマー病に特徴的な病理であり、アミロイドβ斑および神経原線維変化を誘発する可能性がある。
メチル水銀はフリーラジカルを除去するグルタチオンを破壊する。
水銀は骨や脳、その他の組織に蓄積する為、血中濃度は感度のよい指標ではない。
尿の方が指標として感受性が高い為、通常は、水銀を組織から引っ張り出す化学物質を投与してから6時間以上、蓄尿を行う。
(目標値)
血中水銀濃度:5mcg/L未満
Quicksilver Scientific社の検査:50パーセンタイル未満
Quicksilver Scientific社のMercury Tri-test P207
Quicksilver Scientific(クイックシルバー サイエンティフィック)社が開発したMercury Tri-testという検査法を使えば、非常に感度の高い検査ができる。
水銀値が有毒かの判別だけでなく、有機水銀(魚由来)か無機水銀(歯のアマルガム由来)かも検査できる。
ヒ素は実行機能障害、うつ病等を引き起こす可能性 P206
高レベルのヒ素への慢性的な暴露は、実行機能障害(問題解決、計画、組織能力、およびその他の高次思考形態を含む)、知的鋭敏さの減少、言語能力の低下、うつ病に関連する。
(目標値)
血中ヒ素濃度:7mcg/L未満
Quicksilver Scientific社の検査:50パーセンタイル未満
鉛は認知機能と子供のIQを低下させる P206
鉛は認知機能を損ない、暴露した子供のIQを低下させる。
老朽化した塗料等を通じた鉛への暴露もアミロイド形成を増加させる。
鉛は加齢に関連する認知機能低下リスクを高める。
(目標値)
血中鉛濃度:2mcg/dL未満
Quicksilver Scientific社の検査:50パーセンタイル未満
カドミウムは脳にアルツハイマー病型の変化を促す P207
カドミウムは脳にアルツハイマー病型の変化を促す。
喫煙や化学工場で働く事でカドミウムに暴露される可能性がある。
カドミウムは絵具(特に明るい黄色や赤)にも使用されていた。
(目標値)
血中カドミウム濃度:2.5mcg/L未満
Quicksilver Scientific社の検査:50パーセンタイル未満
睡眠時無呼吸症候群は認知機能低下の一因 P208-P211
睡眠時無呼吸は認知機能低下の一因となる。
睡眠時無呼吸があると、半覚醒状態で揺さぶられ、細胞修復に必要な睡眠の質が得られない。
(目標値)
AHI(無呼吸低呼吸指数):5未満/1時間(できれば0)
認知症の患者には高い確率で睡眠時無呼吸症候群が見られる事が既にわかっている。
111人の認知症患者を対象に調べたところ、約9割に睡眠時無呼吸症候群があることがわかった。
睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸状態が続くと肺での換気が十分にできず、血液中の二酸化炭素が溜まり、酸素が減少する低酸素状態になるという。
アメリカにおける研究報告では、低酸素ストレスを与えると脳内にアミロイドβタンパク質が増えるといわれている。
睡眠時無呼吸症候群の患者が認知症に移行しやすいということは、こうしたデータからも裏付けられている。
(出典元)
睡眠時無呼吸症候群と認知症 メディカルノート
https://medicalnote.jp/contents/160414-064-QY
総コレステロール値150未満で脳萎縮の可能性 P211-P212
コレステロール値は高いよりもむしろ低い方が認知機能低下に関わってくる。
総コレステロール値が150未満に落ちると、脳萎縮を患う可能性が大きくなる。
コレステロールは脳細胞も含め、細胞膜の重要部分にあたる。
不要とされるコレステロールは「傷ついたコレステロール(レムナントコレステロール)」とと関連する脂質分子である。
正確なコレステロールの状態を把握するには、酸化LDL、小型高密度LDL(small denseLDL,sd-LDL)、LDL分子数を炎症の程度と共に測定。
(目標値)
LDL-p(粒子数):700~1000
sd-LDL:20mg/dL未満 又は LDLの20%未満
酸化LDL:60U/L未満
総コレステロール:150超(150未満でなく、150超)
ビタミンEは細胞膜の保護に重要 P213
ビタミンEは細胞膜の保護に重要な役割を果たし、アルツハイマー病を防ぐ効果のある抗酸化物質である。
脂肪細胞膜と相互作用し、フリーラジカルを除去し、細胞膜をダメージから保護する。
ビタミンEは単剤療法の臨床試験で認知機能低下を多少なりとも遅らせた数少ない分子の1つ。
ビタミンEには複数のトコフェロールとトコトリエノールが含まれている。
(目標値)
ビタミンE(α-トコフェロール):12~20mcg/mL
ビタミンB1(チアミン)は記憶を形成 P214
ビタミンB1(チアミン)は記憶の形成に必須。チアミン不足はアルコール乱用や栄養不足による「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」という物忘れに関与する。
チアミン値はチアミン分解酵素を含有する「紅茶」「コーヒー」「酒」「生魚(重篤なビタミンB1欠乏症の原因)」等を摂取しても低下する恐れがある。
健やかな認知力の維持にはチアミン値が十分である事が大切。
(目標値)
血清チアミン:20~30nmol/L
又は
濃厚浮遊赤血球のチアミンピロリン酸(TPP):100~150ng/mL
リーキーガットは炎症を引き起こす P214-P218
リーキーガット(腸漏れ症候群)は炎症状態等の原因となる。
胃腸管が漏れていた場合、腸内の大きなタンパク質断片や細菌、イースト等が血流に入ってしまい、免疫系により異物と認識されて炎症を引き起こす原因となる。自己免疫状態になって低レベルの炎症が持続し、最悪の場合には多発性硬化症や慢性関節り埋まり等の自己免疫疾患につながる可能性もある。
炎症は特に1型アルツハイマー病の主原因である為、大きなタンパク質断片等を胃腸管から血液に漏らさないようにする事が極めて重要。
慢性炎症はアルツハイマー病の原因となる。
アルツハイマー病の最も重要な原因の1つは「炎症」であり、リーキーガットは全身性炎症を引き起こす原因となる。
(目標値)
CyrexArray2(又はその他の超透過性数値):陰性
梅毒は認知症を引き起こす P219
梅毒はペニシリンで効果的に治療できるようになる前は、認知症の重要な原因であった。
梅毒トレポネーマは体内に何十年も住み続け、いずれ脳に感染し、最初の感染から何年も後になって認知症を引き起こす。
血液脳関門のバリアは壊れる可能性がある P220-P221
通常、脳は血液脳関門により守られているが、このバリアは「液漏れ」するように「壊れる」可能性がある。
病原菌は鼻腔や副鼻腔、目からも脳に侵入する可能性がある。
鼻腔と副鼻腔からへの脳への侵入は3型(毒物性)アルツハイマー病の極めて重要な決定要因である。
血液脳関門の漏れに対する反応はCyrexArray20で評価できる。
(目標)
CyrexArray20:陰性
グルテン感受性はリーキーガットの原因 P221-P223
グルテン感受性はリーキーガットの原因になる事がある。
リーキーガットはアルツハイマー病につながる慢性炎症の類を引き起こす可能性がある為、グルテン感受性の評価は重要。
(目標)
組織トランスグルタミナーゼ抗体:陰性
又は
Cyrex Array3:陰性 及び Cyrex Array4:陰性
自己抗体が脳タンパクを攻撃する P223
認知機能の低下には脳タンパクを攻撃する自己抗体が重要な要因となる。
(目標)
CyrexArray5:陰性
一部コレステロール低下薬は認知症の原因 P226
広く処方されているコレステロール低下薬「スタンチン」類のいくつかは、細胞死を誘導するアルツハイマー病を進展させる4つの断片(sAPPβ、アミロイドβ、Jcasp、C31:リコード法書籍では「破壊4人組」と定義)の生成を引き起こす。
最も強力に悪化させたのは「セリバスタチン(Baycol)」で世界中で50人の支部、筋胞死等の副作用をもらたした後、2001年に販売中止となった。
カビは3型(毒物性)アルツハイマー病の原因 P226
3型(毒物性)アルツハイマー病の患者に繰り返し見つかった認知症発生要因(デメントゲン)はカビが生成したカビ毒の「マイコトキシン」で、黒カビ(スタキボトリス)、青カビ(ペニシリウム)、アスペルギルス、ケタマカビ(ケトミウム)、アスペルギルスなどのカビによって作られたマイコトキシンである。
カビ毒が慢性的な炎症を引き起こす P228
カビ毒(マイコトキシン)が体に侵入すると、大抵は何年も自然免疫系が活性化されるが、一部の人(遺伝的問題で約25%の人が該当)は適応免疫系がカビ毒(マイコトキシン)を認識する事ができない為、カビ毒を破壊できない。
特定の遺伝子を持つ約25%の人は、体内に侵入したカビ毒(マイコトキシン)が適応免疫系によっていつまでも破壊できない為、侵入を検知し続けている自然免疫系が慢性的に活性化され続け、脳をアルツハイマー病への道に進ませる炎症反応が持続する。(CIRS:慢性炎症反応症候群)
なお、血液を使った遺伝子検査(HLA-DR/DQ:ヒト白血球型抗原-DR座/DQ座)をすれば自分が「25%の人間」かどうかを判定可能。
自然免疫系が活性化されているかどうかを調べるには血液検査で「C4a」,「TRG-β1」、「MSH」を調べれば簡単に確認できる。
(目標)
C4a:2830ng/m未満
TGF-β1:2380pg/ml未満
MSH:35~81pg/mL
HLA-DR(又はHLA-DQ):CIRS傾向なし
マイコトキシンの存在確認は尿検査 P228
最も危険なマイコトキシン(トリコテセン、オクラトキシンA、アフラトキシン、グリオトキシン)の存在は、尿検査を受けて確認する。
尿中マイコトキシン試験:陰性(トリコテセン類、オクラトキシンA、アフラトキシン、グリオトキシン誘導体)
ミトコンドリアへの悪影響を排除する P230
ミトコンドリアは体内で細胞にエネルギーを供給する極めて重要な役割を持っているが、ミトコンドリアは化学物質や抗生物質、その他要因により損傷を受ける為、ミトコンドリアに悪影響を与える可能性のあるものは可能な限り排除する必要がある。
(例:抗生物質、スタンチン、アルコール、L-DOPA(パーキンソン病の治療薬)、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、イブプロフェン等)、グリセオフルビン(真菌感染症薬)、コカイン、メタンフェミン、AZT(HIV等の抗ウイルス薬)等)
ミトコンドリアに関連した認知機能を低下させる潜在要因の特定に関しては今のところ決定的な検査方法が無い為、ミトコンドリアを損傷する化学物質への暴露の有無により判断する。
(目標)
ミトコンドリアに害を及ぼす抗生物質等の薬剤に暴露されていない事
デブ&メタボは認知機能低下のリスクを上昇 P230-P232
不健康なBMI(ボディー・マス・インデックス/肥満度指数)は認知機能低下のリスクを上昇させる。
認知力を最適にするにはBMIは18~25の間でなくてはならない。
BMI(最適):18~25
BMI(2型糖尿病のリスク大):26~30
BMI(2型糖尿病&アルツハイマー病のリスク大):30~
(BMI計算式)
BMI= 体重kg ÷ (身長m)× (身長m)
(例)身長170cm、体重70kgの人の場合
70÷1.7*1.7=約24.22(BMI)
但し、BMIは代謝状態の指標としては最適ではない為、体組成計(タニタ製等)で「内臓脂肪レベル判定スコア」でより正確に判定するのも1つの方法。(最適値は1~12)
ウエスト周囲長でも判定可能で、この数値はメタボリック症候群の判断材料の1つになっており、女性90cm未満、男性85cm未満が目標値とされている。
(目標)
BMI:18~25
ウエスト周囲径:男性85cm未満、女性90cm未満
ApoE4の遺伝子検査は必要 P232
リコード法でコントロールを最適化する為には自分の遺伝的な情報を知っておく必要がある。
特にApoE4は陽性の場合、ApoE4陰性者との最適な食事方法も異なるからだ。
(例:ApoE4陽性者はココナッツオイル等は避ける必要がある)
(目標)
ApoE4の状態を知る事
(オプションの目標)
神経変性に関わるAPP,PSI,PS2,CD33,TREM2,CR1,NLRP1などの一塩基変異多型の状態を全て知っておく。
ApoE4検査キット
自分が「ApoE4」遺伝子を保有しているかを自宅で簡単に調べる事ができる。(11,980円)
2~3週間で検査結果報告書が届く。
ヒト体質 遺伝子検査キット(DNA検査)「認知症3項目」
数日後に送られてくるキットを使って頬の裏にある細胞を綿棒でこすり取り(綿棒2本)、保存液の入ったケースに綿棒を入れて検査会社に送信。
しばらくするとこんな感じの検査結果報告書が送付されてくる。
(ApoE、PAI1,IL10の3種類の状況がわかる)
神経心理検査で現在の状態を数字で正確に把握 P234
今現在の自分の記憶や整理力、計算、会話等の認知力がいまどのような状況にあるのかを客観的な指標で知る事は、改善の推移を知るうえでも非常に重要。
最も簡単なのはMoCA(モントリオール認知評価)。
(以前はオンラインで手軽に入手できたようだが、今はユーザー登録等が必要)
MoCAスコアの評価
19未満:認知症
19~22:日常生活動作が困難であればMCIが認知症に変わったと判断
19~25:MCI(軽度認知機能障害)
26~30:正常値
その他の検査としては以下のようなものがあるが、これらの評価には数時間かかる場合がある。
・ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)
・SAGE(Self Administerd Gerocognitive Examination)
・CNS VitalSigns
・ブレインHD
・Dakim
・Lumosity
・Cogstate
(目標)
年齢におけるパーセンタイルもしくはMoCaスコア(30点満点のうち何点か)で認知能力のベースライン値を出すこと。
(オプションの目標)
標準の神経心理学的検査を完了し、複数の認知機能領域のパーセンタイルスコアを得る事。
PETスキャンもアルツハイマー病の診断に役立つ P236
PET(ポジトロン放出断層撮影法)スキャンは、前頭側頭型認知症とアルツハイマー病の鑑別が難しい場合など、診断が問題になっているときに役立つ事が多い。
アルツハイマー病では、FDG-PETでアルツハイマー病により障害される事の多い側頭部と頭頂部に、特徴的な糖代謝の低下パターンが示される。
認知機能に必須の最新検査について P237-P238
1.神経エキソソーム(日本では神経エクソソームとされている。誤字?)
血液サンプルの採取により、脳科学物質とニューロンシグナル伝達が簡単に評価できるという。神経エクソソームは細胞の小さな断片と細胞から排出された物質の事だが、血液サンプルを少量採取して神経エクソソームを分離すれば、非常に多くの重要な脳の生化学パラメーターが測定できるという。認知症低下リスクはどの程度か、アルツハイマー病の病型は1型か2型か、それとも3型か、また最も重要な治療プログラムの有効性と微調整が必要かどうかの判定に、知る必要があるパラメータが測定できる容認るという。
ブレデセン博士もこの検査のすごさに熱狂し、ゲッツェル教授と共に、神経エキソソームの評価を行う新しい会社の委員も務めているという。
2.網膜イメージング(網膜走査)
脳のアミロイドPETスキャンよりずっと安価にできるアミロイドの検査方法。
3.神経回路と内側側頭葉(新規物体認識)
研究室のげっ歯類の記憶喪失を評価するんい非常に役立つ検査方法。
過去の出来事や生活習慣をチェックする P243-245
臨床検査で重要なのは、遺伝的生化学的要因を特定する事。
何が原因となっているかについては、生活史からも重要な手がかりが得られる可能性がある。
(チェック項目で気になった所&コメント)
・歯の治療で歯科用アマルガムを入れている→無機水銀に暴露。歯科医で除去。
・水銀値の高い魚を食べる→有機水銀に暴露。食べないようにする。
・薬を服用している(ベンゾジアゼピン、抗鬱剤、降圧剤、スタンチン、逆流性食道炎治療薬、抗ヒスタミン剤)→飲まないようにする。
・口腔内栄西の状況→口腔内の衛生状態が悪いと炎症の原因になる為、食後の歯磨き忘れずに。
・慢性の副鼻腔炎→マイコトキシン等への暴露警報。部屋、車のカビ対策をしっかりと。
・トランス脂肪酸または単糖類の多い飲食物の摂取→血管損傷とインスリン抵抗性等。炭水化物は極力食べず、ソフトドリンク類は飲まない。野菜中心+α(肉魚料理)の食生活が理想的。
・仕事場、家、車にカビが生えている→認知機能低下の原因。要カビ対策。
・化粧品、ヘアスプレー、制汗剤を使っている→毒物暴露に関係。ヘアスプレーはなんでダメ?
・あまり汗をかいていない→汗は毒素除去の重要なルートのひとつとされているが、ある記事によると、汗からは極めて微量しか毒素が排出されていないという結果もある為、慎重に。
・精製水(ミネラルウォータじゃない)を飲んでいない→尿も毒素を除去。但し、精製水はミネラルを一切含んでいない水である為、必須ミネラルも一緒に体から奪ってしまう為、別途補給が必要。
45歳以上が行うべき認知機能検査 P247-P251
「リコード法プロトコルの主要検査とオプション検査のまとめ」という形で計4ページ(P248-P251)にわたって一覧表形式で掲載されている。
ただ、日本の一医療機関では実施できない検査項目も多く、かかりつけ医等の理解を得る事ができなければ、少なくとも保険適用で検査はしてもらえない可能性すらある事に注意。