アルツハイマー病の主な自覚症状(エレノア編) P63

1.失顔症(相貌失認:そうぼうしつにん) P63
顔を認識し、記憶するのが困難になってくる症状。
脳障害による失認の一種で、特に「顔を見てもその表情の識別が出来ず、誰の顔か解らず、もって個人の識別が出来なくなる症状」をいう。

2.頭の調子(冴え)が悪くなる(特に1日の後半) P63
脳の疲れが午後3時か4時にひどくなった。
1日の後半になると、本を読むことがどんんどん大変になり、調子が悪い時にはページから次のページに行くときには、前のページに書いてある事を忘れる事も。(当然、内容を把握できなくなる)

その他、頭の調子が悪いと感じる時
・ミーティング中に頭がぼんやりする。
・ディスカッションで何も言えなくなる。
・グループ会話で何も言えなくなる。(特に難しい話)
・的外れなコメントをしてしまう。

3.読書への関心が減り、複雑な会話が難しくなる P64
本を読んで理解するのが難しくなってきた事、複雑な会話についていけなくなってきた事等から、会話するのが嫌になる。

4.読み聞きした事を思い出しにくくなる P64
物を覚えるのが苦痛になってくる。(うまく覚えられないので)
話や本の内容を理解できなくなってくる為、当然、それらが楽しくなくなってくる。

5.ボキャブラリーが減少 P65
頭の調子が悪くなり、会話の流れにマッチした言葉を見つける事にも悪戦苦闘し、より簡単な言葉を使って話すようになる。また、適切な言葉を探している間、(考え中である為)他の人からは動作が少し止まってみえていた可能性がある。

6.言葉の混乱(言い間違える)P66
子供の名前を間違える事もよくある。
症状が悪化した頃には、単語を完全に間違える事も。

7.処理スピードの低下 P66
脳の調子が悪化していくにつれ、特に仕事のミーティング中、考えるのが遅くなり、頭がぼんやりする。

8.自動車運転に関する不安増大 P66
自動車を運転する時、処理する事が多すぎて運転に大きなストレスを感じて、運転できないと思う。

自動車の運転に関する自覚症状例
・車庫入れがうまくできなる。(まっすぐ入れたつもりが何故かいつも曲がってしまう)
・内輪差をしっかり計算できず車の側面を壁にこする事がある。
・車を物にぶつけたり、こすって傷つける事がある。
・曲がるとき縁石に乗り上げる事がある。(頭で内輪差がうまく計算できていない)
・遠近感が乏しくなる時があり、そのうち事故を起こすのではないかと心配になり、運転に自信が無くなってくる。
・一度に処理できる情報量が低下してくる為、側道に人が居ると、突然現れたように感じる時があり、「ビクッ」となる。ヒヤッとする事が頻発し、運転に自信が無くなってくる。
・ライトの消し忘れやワイパーの止め忘れが頻発する。
・駐車位置をすっかり忘れ、探すのに苦労する。

9.To-doリストと約束を忘れ、やり方かわからなくなる P66
・度忘れして約束をすっぽかしてしまう事がある。
・グーグルカレンダーを活用しても忘れる。

度忘れ対策の一例
・Googleカレンダーの機能を活用し、忘れてはいけない約束については、メールやアラーム等の通知機能を必ず複数個設定(30分前、2時間前、1日前等)する。
・スマートフォン、フューチャーフォン、携帯、タブレット、パソコン等の「全て」の端末で同じスケジュール等を確認できるよう、予め共有設定しておく。
・家族等に自分のGoogleカレンダーの予定を共有(又は家族の共有スケジュール帳に予定を入れる)してもらい、必要に応じて予定を電話やLINE等を使って告知してもらえるよう予めお願いしておく。
・毎朝必ずGoogleカレンダーを「確認する癖」をつける。
・やらなければならない事はGoogleのToDo機能を活用し、何をすべきか等、やり方の流れ等は頭の調子が良い時に予め入力しておき、「自分専用マニュアル」を作っておく。

10.睡眠障害 P67
・簡単に目が覚め、起きた時ね直すのが大変。
・一晩に何度も目が覚める。

睡眠障害対策例
・無呼吸症候群の可能性があれば、睡眠時無呼吸症候群の治療が可能な医療機関で診察を受け、睡眠中に安定して呼吸ができるよう、治療(保険適用可)する。
(例:マウスピース(軽症)CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法:重症))
・就寝前、メラトニン(0.3mg~)を服用する。
・検査結果でマグネシウム値が不足していれば、就寝前にマグネシウム(マグネシウムグリシネイト:500mg/日又はトレオン酸マグネシウム:2,000mg/日)を服用する。(鎮静作用有)

11.カフェインを飲んでも頭がさえない P67

認知機能改善に即効性があったコーヒーの一例
ココナッツウコン(クルクミン)コーヒー(改)

12.外国語を話すのが困難になる P67
自国語をうまく話す事も困難になってくる為、当然、外国語を話すのはもっと困難になってくる。自国語での会話ですら、相手が何を言っているのかわからなくなる時があり、調子の悪い時には、自国語なのに知らない外国語を聞いているように感じる(何を言っているかチンプンカンプン)事も。

認知機能の低下で会話が困難になった時の対策
会話の中で、可能な限り単語を拾っていき、話の流れから「恐らく相手はこんな事を言っているんだろうな」と推測して、話をイメージ化(映像化)して認識し、その推測に従って必要な所は頷いて相手の話を一生懸命聞く努力をしている事は理解してもらいつつ、極力聞き役に徹する。
相手に自分の意見を言うべき時や返事をしなければならない時には自分が確実に理解できている事や話の筋からそれていないと思える事を極力当たり障りのない形で回答するよう心掛ける。
なお、推測に誤りがあったり、解釈を間違えたり、下手に難しい返事をしようとすると、見当違いの回答をしてしまう場合がある。
その場合、相手が怪訝そうな顔をするので、やってしまった事に気がつく事ができ、それによって自分自身ストレスを感じてさらに認知機能が低下し、さらに見当違いな回答をしてしまう、という悪循環に陥る場合があるので注意が必要。

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