目次
- 1.第6章 「神の遺伝子とアルツハイマー病の3タイプ」について
- 2.第6章 「神の遺伝子とアルツハイマー病の3タイプ」備忘録
- ApoE4遺伝子はアルツハイマー病のハイリスク遺伝子 P144
- アルツハイマー病の原因 P148
- アルツハイマー病はシナプスの不均衡 P149
- アルツハイマー病になる理由 P149
- 40歳以上の全ての人に有効なアルツハイマー病の予防法 P149
- アルツハイマー病の進行を止めて回復させる方法 P149,P150
- アルツハイマー病3種類のタイプ P150
- 自分がどの型のアルツハイマーなのかを調べよう P151
- アルツハイマー病3つの型 P152
- 1型(炎症性)アルツハイマー病の特徴 P152-P158
- 2型(萎縮性)アルツハイマー病の特徴 P158-P160
- 1.5型(糖毒性)アルツハイマーの特徴 P160
- 3型(毒物性)アルツハイマー病の特徴 P161
- アミロイドβ 3つの異なる機能 P170
- 原因改善前にアミロイドβを単に除去した場合の影響 P170
- アルツハイマー病を改善する為にやるべき事 P171
1.第6章 「神の遺伝子とアルツハイマー病の3タイプ」について
第6章「神の遺伝子とアルツハイマー病の3タイプ」は「P143-P171」の「全29ページ」で構成されている。
この章ではアルツハイマー病のハイリスク遺伝子「ApoE4」に関する事や、アルツハイマー病の3種類のサブタイプ(1型炎症性アルツハイマー病、2型萎縮性アルツハイマー病、3型毒物性アルツハイマー病)に関するまとめの説明がされている。これらの事はリコード法の治療について理解する必須基本知識にもなる部分である為、今一度大筋は押さえておく必要がある。
(なお、自分が参考になったと思える部分は備忘録に記載)
アルツハイマー病 真実と終焉 ”認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム
デール・ブレデセン (著), 白澤 卓二 (監修), 山口 茜 (翻訳),出版社:ソシム
2.第6章 「神の遺伝子とアルツハイマー病の3タイプ」備忘録
ApoE4遺伝子はアルツハイマー病のハイリスク遺伝子 P144
ApoE4遺伝子はアルツハイマー病を発症リスクを急上昇させるハイリスク遺伝子である。
(ApoE4遺伝子を持っている人は、治療方法もほかの人とは異なる部分がある為、リコード法で治療する前に、この遺伝子をもっているかどうかの検査をする事は必須。)
ApoE4遺伝子はアミロイドβペプチドの排出能力を低下させる。また、ApoE4遺伝子は、細胞核に入り込んで、非常に効率よくDNAと結びつく働きを持ち、長寿に関連し、抗アルツハイマー病の効果の有る「SirT1(サーチュイン1)」という分子を作る遺伝子を停止する。また、ApoE4遺伝子は炎症を促進するNF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー:核内因子κB)に関連している。
ApoE4検査キット
自分が「ApoE4」遺伝子を保有しているか11,980円で調べる事ができる。
2~3週間で検査結果報告書が届く。
ヒト体質 遺伝子検査キット(DNA検査)「認知症3項目」
数日後に送られてくるキットを使って頬の裏にある細胞を綿棒でこすり取り(綿棒2本)、保存液の入ったケースに綿棒を入れて検査会社に送信。
しばらくするとこんな感じの検査結果報告書が送付されてくる。
(ApoE、PAI1,IL10の3種類の状況がわかる)
アルツハイマー病の原因 P148
(1)炎症性障害(感染又はトランス脂肪酸等)
(2)栄養や栄養因子、ホルモン値の不足
(3)毒性化合物(カビ、バクテリア等の生物毒素等も含む)に対する防御反応
アルツハイマー病はシナプスの不均衡 P149
アルツハイマー病は老化して役に立たず、不要になったシナプスの再編成(健康的な破壊)と脳の古い記憶の維持と新たな記憶形成(そしてその他のど認知機能の作動)に必要な、現状のシナプスと新しいシナプス、それぞれの維持や生成がアンバランスとなった状態である。
この不均衡はシナプス・ニューロン破壊分子4人組が多すぎ、シナプス・ニューロン維持分子の2人組みが少なすぎる事が原因である。
アルツハイマー病になる理由 P149
アルツハイマー病の原因となる36の要因を、脳に沢山与え続けるような生活を送ってしまう事が発症する原因である。(第4章参照)
40歳以上の全ての人に有効なアルツハイマー病の予防法 P149
36個ある脳のアルツハイマー病誘発要因の数を最小限にするような生活をする。
(第8章、第9章参照)
アルツハイマー病の進行を止めて回復させる方法 P149,P150
主観的認知機能障害者(SCI)、軽度認知機能障害者(MCI)、アルツハイマー病発症者向け。
自分の遺伝的状態(ApoE4遺伝子の有無等)と生化学的状態(血液検査結果等)を評価し、自分の認知機能がどれくらいかを判定する。(第7章参照)
その後、特定された要因ひとつひとつに対処する。(第8章、第9章参照)
アルツハイマー病3種類のタイプ P150
アルツハイマー病は3つの症候群である。
アルツハイマー病はシナプスとニューロンの予めプログラムされた組織的なダウンサイジング活動である。
製薬会社が何十億ドルもかけて試したように、単にアミロイドβを減少させても、アミロイド産生の誘因を特定し、除去しない限り、役には立たない。
単純にアミロイドを除去するだけでは、ダウンサイジングの4つのメモのうち、ひとつのみを引きはがすのと同じこと。
ダウンサイジングを少々遅らせるかもしれないが、他の3つのメモは発信され、脳はそれらに従い行動する。
そしてさらに重要な事は、メモをひとつ引きはがしても、その根本原因に対処できた事にはならず、ただ単に原因に反応したに過ぎない。
書籍では少々わかりにくい書き方がされているが、要するに、
(1)単に薬剤等でアミロイドを強制的に除去する前に、まずはアミロイドβ産生の「原因」となっているものをしっかりと除去する事が大切。
(2)除去した段階になって初めてアミロイドβを除去する。(先に除去しても次から次へとアミロイドβが産生される為、あまり意味がない)
(3)そして、残ったシナプスを保護し、シナプスを再生させる、という手順を踏むことが重要という意味。
上記(1)の段階をすっ飛ばしてアミロイドβだけ除去してもあまり意味がないよ、という事を言っているのだと思う。
後述(P170)するが、
「1.5型(糖毒性)、2型(萎縮性)アルツハイマー病患者の脳から、アミロイドβが産生される原因に対処する前にアミロイドβのみ除去した場合、理論的に進行が遅れる可能性があるが、最終的に規則性の低いダウンサイジングに至る可能性があり、それ故、重大な認知能力が失われる」
「3型(毒物性)アルツハイマー病患者の脳からアミロイドβが産生される原因を除去する前にアミロイドβのみ除去した場合、防衛反応の一部が失われるため、毒物暴露が続いていれば重大な問題になる。」
との記述有。1型に関する記述はなかったが、基本的には「アミロイドβ」を除去する「前」か少なくとも「同時並行」で原因に対処した方が良いと思われる。
(何もしないよりは良いと思うが、原因に全く対処せず、アミロイドβだけ除去する治療法はリスクを伴う為、おすすめの方法ではない)
自分がどの型のアルツハイマーなのかを調べよう P151
リコード法の第一歩!自分が以下にある3つのアルツハイマー型のどれで、どの型のリスクがあるのかを調べよう。そうすれば、リスクを最小限にして、既に認知機能が低下しているなら、再び機能を最適化する最善の個別プログラムを作成できる。
アルツハイマー病3つの型 P152
自分がどの型のアルツハイマー病の可能性があるのかを知る事が、リコード法の第一歩。
コグノスコピー検査で調べる事が可能だが、自分の年齢や症状、毒物暴露状態、遺伝子状態等からある程度推測できるかも。
(1)1型(炎症性)アルツハイマー(ApoE4遺伝子保有者に多く、その場合若年発症)
(2)2型(萎縮性)アルツハイマー(ApoE4遺伝子を持っている人や年配者に多い)
(3)3型(毒物性)アルツハイマー(比較的若い人・若年性アルツハイマー患者に多い)
なお、1型と2型が混ざった「1.5型(糖毒性)」というのもある事に留意。
1.5型(糖毒性)アルツハイマー患者は「インスリン抵抗性」がある「糖尿病患者又はその予備軍」に多いのではないか、と個人的に感じている。
1型(炎症性)アルツハイマー病の特徴 P152-P158
・ApoE4遺伝子を1~2本保有している場合が多い。その場合、家族に遺伝の可能性有。
・ApoE4遺伝子「2本」保有者は40代後半~50代に症状がでる場合が多い。
・ApoE4遺伝子「1本」保有者は50代後半~60代に症状がでる場合が多い。
・ApoE4遺伝子「0本」(非保有者)は60代~70代に症状がでる場合が多い。
・新しい記憶の喪失が見られるが、言語、執筆、計算能力は保たれる。(1型・2型共通)
・C反応性タンパク(CRP)の増加が認められる。
・アルブミンのグロブリンに対する「比率」の「減少」が認められる。
・インターロイキン5(IL-6)の「増加」が認められる。
・腫瘍壊死因子(TNF)の「増加」が認められる。
・インスリン抵抗性などのような代謝とホルモンの異常を伴う。
・リコード法で治療を開始した時、最も早く治療効果が出る。
・シナプスの生成と破壊の不均衡が存在している。(1型・1.5型・2型共通)
2型(萎縮性)アルツハイマー病の特徴 P158-P160
・ApoE4遺伝子を1~2本保有している場合が多いが、炎症性タイプよりも約10年後に症状が始まる。
・新しい記憶の喪失が見られるが、言語、執筆、計算能力は保たれる。(1型・2型共通)
・炎症を示す症状はない。(炎症性マーカーは通常より低い)
・脳シナプスの総合的なサポートが枯渇している。(認知機能維持栄養素等が不足している)
・ホルモン値が通常不足している。(甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、プレグネノロン等)
・ビタミンDがしばしば減少。
・インスリン抵抗性が生じている又はインスリン値が低い
・ホモシステイン値が高い可能性がある。
・1型(炎症性)よりも治療の反応が遅い場合が多い。
・シナプスの生成と破壊の不均衡が存在している。(1型・1.5型・2型共通)
1.5型(糖毒性)アルツハイマーの特徴 P160
・血糖値が慢性的に高い。
・タンパク質の変性(糖化)と1型(炎症型)に見られる炎症が生じる。
・インスリン抵抗性が生じている。
・認知機能維持栄養素等が不足している。
・シナプスの生成と破壊の不均衡が存在している。(1型・1.5型・2型共通)
3型(毒物性)アルツハイマー病の特徴 P161
・ApoE4遺伝子保有者よりもApoE3遺伝子保有者の方が多い。
・65歳以下から症状が始まる事が多い。
・比較的若年(40歳台~60歳台)で、大きなストレスで発症する事が多い。
・症状は記憶の喪失よりも、番号や会話、整理等を含めた認知的困難から始まる。
・最近の記憶だけでなく、古い記憶も失う。
・算数が難しく、計算や明細書の合計に苦労する。
・言葉を見つける事、文字を綴る事、読む事にも苦労する。
・うつ病や注意欠陥等の症状が現れやすい。(うつ病が認知機能低下に先行又は付随)
・3つの型の中で治療の反応が最も低い場合が多い。
・極めて変則的な所見である事が多い。
・血中亜鉛値が低く、銅は高い(銅/亜鉛比が高い)事が多い。
・コレステロール値に比べ、トリグリセリド値が不釣り合いに低い。
・脳の至る所に萎縮が認められる場合が多い。
・神経の炎症と血液の漏出がある場合が多い。
・HPAアクシスが機能障害を起こしている。(コルチゾール低値、リバースT3高値、遊離T3低値、プレグレノロン低値、エストラジオール低値、ホルモン異常のうち1つ以上現れる可能性有)
・血清C4a、TGF-β1又はMMP9高値、もしくは血清MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)低値
・水銀やカビが産生するマイコトキシン等の有毒化学物質の血中値が高い。
・歯科治療に使われるアマルガム(水銀高含有充填剤)の使用歴がある。
・カビに汚染された家に住んだ事がある。
・その他、毒物暴露歴がある。
アミロイドβ 3つの異なる機能 P170
(1)炎症反応の一部であり、抗菌薬として機能する。
(2)ホルモン、ビタミン、栄養素やその他の補助栄養因子の不足に、より拡張可能なシナプスを縮小して反応する。
(3)毒物暴露への防御反応の一部(水銀や銅などの重金属と非常に硬く結合する)
原因改善前にアミロイドβを単に除去した場合の影響 P170
・1.5型(糖毒性)、2型(萎縮性)アルツハイマー病患者の脳から、アミロイドβが産生される原因に対処する前にアミロイドβのみ除去した場合、理論的に進行が遅れる可能性があるが、最終的に規則性の低いダウンサイジングに至る可能性があり、それ故、重大な認知能力が失われる。
・3型(毒物性)アルツハイマー病患者の脳からアミロイドβが産生される原因を除去する前にアミロイドβのみ除去した場合、防衛反応の一部が失われるため、毒物暴露が続いていれば重大な問題になる。
アルツハイマー病を改善する為にやるべき事 P171
自分(患者)が認知機能低下のどの要因が存在するのかを知り、一つづつ対処する事!